こんにちは。この記事では、「つみたてNISAにどのファンドを選べばいいの?」という疑問にお答えします。
つみたてNISA(積立NISA)は、年間120万円までの投資に対して、最長20年間の運用益が非課税になるという非常に優れた制度です。税制メリットが大きく、資産形成の第一歩としても人気があります。
しかし、この制度をフルに活かすには、「どのファンドに投資するか」が重要なポイントとなります。なぜなら、ファンドの選び方によって将来のリターンに大きな差が出てしまうからです。
金融機関によって選べるファンドの種類も異なり、初心者の方にとっては「何を基準に選べばいいのか分からない」というのが本音かもしれません。
そこで今回は、初心者でも安心してスタートできる投資信託(ファンド)を中心に、
- ファンド選びの基本的な基準
- 長期投資に適したインデックスファンド
- 投資スタイルに合ったファンドの選び方
について、やさしく・わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、「とりあえずこれを選べば間違いない」という安心の指針が見つかるはずです。
■ ファンド選びで失敗しないために|3つの基本基準
つみたてNISAでファンドを選ぶ際には、次の3つのポイントを意識しましょう。これらの基準は、初心者でも失敗しにくい投資判断につながります。
信託報酬(手数料)が低いこと
投資信託を運用する際には、「信託報酬」と呼ばれる管理手数料が発生します。これは、ファンドを保有しているだけで毎年差し引かれるコストです。
たとえば、信託報酬が1.0%と0.1%のファンドでは、長期的な運用成績に大きな差が生まれます。つみたてNISAは長期投資が前提なので、信託報酬はできるだけ低いものを選びましょう。
目安としては、年0.2%以下がおすすめです。
インデックスファンドであること
つみたてNISAでは、市場平均(インデックス)に連動する投資信託が主流です。これは、日経平均株価やS&P500などの指数に連動して運用されるもので、運用コストが低く、分散効果が高いのが特徴です。
特に初心者の方は、プロの判断が必要な「アクティブファンド」よりも、シンプルで透明性のあるインデックスファンドを選ぶのが堅実です。
純資産残高が大きく、資金流入が安定していること
純資産残高は、そのファンドに集まっているお金の総額を示します。人気があり、多くの投資家が継続的に資金を投入しているファンドは、安心感が高く、運用の継続性にもつながります。
目安としては、純資産総額が100億円以上のファンドであれば十分な安定性があると言えるでしょう。また、毎月の資金流入が安定しているか(資金が流出していないか)もチェックポイントです。
■ 初心者におすすめのファンド3選(2025年版)
つみたてNISA対象のファンドは200本以上ありますが、その中でも特に人気があり、信託報酬も低く、長期投資に適したファンドを厳選して紹介します。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
- 対象指数:S&P500(米国の主要500社に分散)
- 信託報酬:年0.09372%(2024年時点)
米国株の代表的な指数「S&P500」に連動したファンドで、AppleやAmazon、Microsoftなど世界的企業に広く投資できます。
信託報酬も極めて低く、パフォーマンス・コストの両面から見ても非常に優秀。
つみたてNISAで最も人気の高いファンドのひとつであり、「迷ったらこれ」と言っても過言ではない定番商品です。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(VTI連動)
- 運用会社:SBIアセットマネジメント
- 対象指数:CRSP USトータル・マーケット・インデックス(米国市場のほぼ全体)
- 信託報酬:年0.0938%
このファンドは、米国の大企業から中小企業まで約4,000銘柄に分散投資できる点が特徴です。
「米国全体の経済成長を取り込みたい」という方にぴったりで、より幅広く分散された運用を目指すことができます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
- 対象指数:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(先進国+新興国)
- 信託報酬:年0.1133%
このファンドは、世界中の株式市場に一本で分散投資できるという、非常にバランスの取れたファンドです。
米国・日本・ヨーロッパ・中国など、国際的な分散がされており、「どこの国が伸びるか分からない」という方でも安心して投資できます。
■ 自分に合ったファンドを見つけるコツ
米国株集中型 vs 全世界分散型
- 成長重視 → 米国株に集中(例:eMAXIS Slim S&P500)
- 安定志向 → 全世界株式でリスク分散(例:楽天VT)
リターン重視か、リスク軽減重視か
- 高リターン狙い → VTIやS&P500
- 安定性・守りも意識 → バランス型や債券併用のファンドも検討を
初心者は“1本選んで積立開始”でOK
つみたてNISAを始めるにあたって、「どのファンドが正解なのか?」と悩みすぎてしまい、なかなか一歩を踏み出せない人も多いかもしれません。
しかし、初心者にとって最も大切なのは、完璧なファンド選びよりも“始めること”そのものです。
たしかに投資信託は数が多く、商品比較だけで疲れてしまうこともありますが、信頼性が高く、長期運用に適した1本を選んでスタートするだけで十分。
■ おわりに|つみたてNISAは“継続が力”になる制度
どんなに優れたファンドを選んでも、続けられなければ意味がありません。
つみたてNISAは、「一括投資で一発勝負する制度」ではなく、「長期・分散・積立」という堅実な投資スタイルを前提としています。
ファンド選びに悩んで立ち止まるよりも、まずは少額でも一歩を踏み出すことが大切です。
今回紹介した3本のファンドは、いずれも実績・人気・コスト面においてバランスの取れた選択肢。
「これがベスト」ではなく、「ここから始めてみよう」という「土台」として選ぶのに最適です。
投資で最も重要なのは、「始めること」も重要ですが、なにより「続けること」。
市場が上がったり下がったりする中でも、コツコツ積み立てを続けることで、時間という強力な味方=複利の力を最大限に活かすことができます。
無理のない範囲でスタートし、慣れてきたら増額やポートフォリオの見直しをしていくことで、投資はあなたにとって「日常の一部」になっていくでしょう。
焦らず、迷わず、未来の自分のために「今日の一歩」を踏み出してみてください。
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